単純温泉とは?効果・効能と代表的な温泉地「どこにある?」までを徹底解説
はじめに
こんにちは!!
ひなたの湯です!!
今回は「単純温泉」について効果・効能と代表的な温泉地についてご紹介いたします!
温泉宿のパンフレットや温泉施設の掲示で、「泉質:単純温泉」という文字を目にしたことはないでしょうか。「単純」という響きから、「成分が薄い、あまり効かない温泉なのでは?」と誤解してしまう方も少なくありません。
しかし実は、日本各地で名湯と呼ばれる温泉地の多くが、この「単純温泉」に分類されます。下呂・道後・由布院・湯河原――名前を聞けば誰もが知る温泉地に共通する泉質、それが単純温泉です。
単純温泉とは?正しい定義と分類上の位置づけ
環境省が定める「単純温泉」の基準
単純温泉の定義は、環境省の「鉱泉分析法指針」で明確に定められています。ポイントは、次の2つの条件を満たすことです。
- 温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満
- 湧出時の泉温が25℃以上
つまり、温泉水を煮詰めたときに残る成分の総量が「1リットルあたり1グラム未満」で、湧き出したときの温度が25℃以上であれば、単純温泉と呼ばれます。
さらに、湧出地でのpH値が8.5以上のものは「アルカリ性単純温泉」、pH7.5〜8.5未満のものは「弱アルカリ性単純温泉」と細分されます。とろりとした肌触りで「美肌の湯」と呼ばれるのは、多くがこのアルカリ性単純温泉です。
「単純」=「薄い」ではない
ここで大事なのは、「単純」という言葉の意味です。単純温泉は「成分の薄い温泉」というわけではありません。特定の主成分が突出して多くはないが、さまざまな成分がバランスよく含まれている――そんな温泉を指します。
また、療養泉全体を大きく3つに分けると、「単純温泉」「塩類泉」「特殊成分を含む療養泉」となり、単純温泉はれっきとした療養泉のひとつとして位置づけられています。
単純温泉の特徴:「やさしい湯」と呼ばれる理由
刺激が少なく、湯あたりしにくい
単純温泉の最大の特徴は、肌や体への刺激が少ないことです。塩分や酸性度、硫黄などの強い成分が突出していないため、長湯をしても湯あたりしにくく、入浴後の疲労感も比較的軽いとされています。
このやさしさから、単純温泉は昔から「家族の湯」とも呼ばれてきました。乳幼児からご高齢の方まで、また敏感肌の方や体調に不安がある方でも比較的安心して楽しめる、間口の広い泉質です。
見た目・匂いは基本的に控えめ
単純温泉のお湯は、基本的に無色透明・無味無臭です。硫黄泉のような強い匂いや、鉄泉のような濁りはなく、見た目はさらりとした透明なお湯であることが多いのが特徴です。
ただし、含まれる成分によっては薄い茶色や淡い青緑色に色づいたり、湯の華が出たりする単純温泉もあります。「無色透明だから成分が薄い」というわけではないのは、先にご説明したとおりです。
アルカリ性単純温泉は「美肌の湯」
pH8.5以上のアルカリ性単純温泉に入ると、肌の古い角質がやわらかくなり、入浴後にすべすべ・つるつるとした感触が得られます。これがいわゆる「美肌の湯」と呼ばれる由縁です。ぬるっとした独特の肌ざわりが特徴で、単純温泉のなかでも特に人気があります。
単純温泉の効果・効能
単純温泉ならではの適応症:自律神経・不眠・うつ
温泉の効能は、環境省の基準に基づいて「泉質別適応症」と「一般的適応症」に分けて示されています。単純温泉の泉質別適応症は、次の3つです。
- 自律神経不安定症
- 不眠症
- うつ状態
注目したいのは、「不眠症」が泉質別適応症として明記されているのは、単純温泉だけという点です。強い成分がないぶん、体への負担が少なく、副交感神経優位の状態でゆったりと湯につかれる――この特徴が、心理的・自律神経的な症状の改善に向くと考えられています。
現代人が抱えるストレス、寝付きの悪さ、気分の落ち込みといった悩みに、単純温泉は静かに寄り添ってくれる存在といえるでしょう。
一般的適応症(すべての療養泉に共通する効能)
単純温泉には、上記の泉質別適応症に加えて、すべての療養泉に共通する「一般的適応症」も期待できます。主なものは次のとおりです。
- 筋肉・関節の慢性的な痛みやこわばり(関節リウマチ、腰痛症、神経痛、五十肩などの慢性期)
- 運動麻痺による筋肉のこわばり
- 冷え性、末梢循環障害
- 胃腸機能の低下
- 軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症
- 軽い喘息・肺気腫
- 痔の痛み
- 病後回復期
- 疲労回復、健康増進
ここに、単純温泉特有の「心へのやさしさ」が加わることで、身体と心の両方をゆるめるバランスの良さが生まれます。
なお、これらはあくまで一般的に示された適応症であり、効果の感じ方には個人差があります。持病がある方、療養目的で温泉を利用したい方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。
単純温泉はどこにある?代表的な温泉地
「単純温泉なんて聞いたことがない」と思われるかもしれませんが、実は誰もが名前を知る温泉地の多くが、単純温泉です。代表的な温泉地を見てみましょう。
下呂温泉(岐阜県)
有馬・草津とならぶ日本三名泉のひとつ。飛騨川沿いに広がる温泉街で、江戸時代の儒学者・林羅山が「三名泉」と称したことで知られます。泉質はアルカリ性単純温泉で、肌当たりのやさしさと「美人の湯」としても親しまれています。
道後温泉(愛媛県)
日本三古湯のひとつに数えられ、3000年の歴史を持つと伝えられる名湯。夏目漱石の『坊っちゃん』にも登場する道後温泉本館は、多くの旅行者が訪れます。こちらもアルカリ性単純温泉で、まろやかな肌ざわりが特徴です。
由布院温泉(大分県)
女性を中心に高い人気を誇る、九州を代表する温泉地。多くの源泉は単純温泉で、湯量豊富ながらやさしい泉質のため、初心者や湯めぐりの合間にも入りやすいと評判です。
湯河原温泉(神奈川県)
万葉集にも詠まれた歴史ある温泉地で、都心からのアクセスもよく、湯治文化が今も残ります。単純温泉が中心で、静かに養生したい方に向いた落ち着いた雰囲気の温泉街です。
鬼怒川温泉(栃木県)
関東屈指の温泉地で、鬼怒川の渓谷沿いに大型の温泉宿が並びます。アルカリ性単純温泉が多く、「傷を癒す湯」として古くから親しまれてきました。家族旅行にも人気の温泉地です。
このほかにも、修善寺温泉(静岡)、鹿教湯温泉(長野)など、日本全国に単純温泉の名湯が点在しています。「単純温泉」と書かれていたら、むしろ「どんなやさしい湯なのだろう」と期待して選んでみてください。
ひなたの湯は肌や体への刺激が少ない単純温泉を使用しています。特に大阪ユニバーサルベイサイド店は「美肌の湯」で知られるアルカリ性単純温泉を使用しております。
単純温泉を楽しむためのちょっとしたコツ
刺激が少ない単純温泉は、ぬるめの温度でゆっくり長めに入るのが向いています。38〜40℃程度のお湯に10〜15分程度、体の芯まで温めるようなイメージで浸かると、心身のこわばりがほどけていくのを感じられるはずです。
また、一度の入浴で劇的に体調が変わるものではなく、繰り返し入ることで少しずつ効果を実感していくのが温泉本来の楽しみ方です。連泊や湯治を計画するなら、単純温泉はうってつけの選択肢といえるでしょう。
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参考文献
単純温泉の定義(環境省・一次資料)
- 環境省自然環境局「鉱泉分析法指針(平成26年改訂)」(温泉水1kg中の溶存物質量〈ガス性のものを除く〉が1,000mg未満で泉温25℃以上の療養泉を「単純温泉」とし、pH8.5以上を「アルカリ性単純温泉」とする定義の根拠)
https://www.env.go.jp/council/12nature/y123-14/mat04.pdf - 環境省「温泉の保護と利用」(温泉法・鉱泉分析法指針の概要)
https://www.env.go.jp/nature/onsen/
療養泉としての位置づけと泉質分類
- 日本温泉協会「温泉の泉質のいろいろ」(療養泉の10種類の分類のうち、単純温泉の基準として「溶存物質1,000mg未満・泉温25℃以上・pH8.5以上をアルカリ性単純温泉」を明記)
https://www.spa.or.jp/onsen/501/ - 日本温泉協会「温泉分析書の見方」(掲示用泉質名の解説)
https://www.spa.or.jp/onsen/4046/ - 埼玉県「温泉について」(温泉法・泉質分類の自治体側解説)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0707/onsen-onsen.html
単純温泉の適応症(環境省通知に基づく一次情報)
- 日本温泉協会「適応症と禁忌症」(「温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意の掲示等の基準」に基づく一般的適応症と泉質別適応症の一覧)
https://www.spa.or.jp/onsen/513/ - 環境省エコジン Vol.74「新・湯治」特集(単純温泉の泉質別適応症として「自律神経不安定症、不眠症、うつ状態」を明記/温泉療法専門医・早坂信哉氏監修)
https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin_backnumber/issues/20-01/20-01d/second/2.html - 済生会「温泉療法医が解説!温泉ってなぜからだにいいの?」(療養泉の一般的適応症の詳細解説)
https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/spa_therapy/ - 東邦微生物病研究所「平成26年7月環境省通知『禁忌症及び入浴又は飲用上の注意事項』について(医学的解説)」(前田眞治・国際医療福祉大学大学院教授による解説、単純温泉に自律神経不安定症・不眠症・うつ状態の適応症が新たに認められた経緯についての記述あり)
https://www.toholab.co.jp/info/archive/16045/

